2016年7月30日土曜日

R.I.P. Amy Winehouse

気が付けば7月23日を過ぎていた。
毎年この時期になると、あるアーティストのことを思い出す。
エイミー・ワインハウス。
2011年7月23日、エイミーはこの世を去った。
本当に信じられなかったしショックだった。
 
報道によると彼女はロンドンのカムデンのフラットで遺体となってるのを発見された。
死因は急性アルコール中毒ということがわかっているが、当初はドラッグのオーバードーズではないかと言われていた。
 
彼女の場合は世界的にブレイクした曲がそのまま"Rehab"なわけだから、ドラッグに関する問題が常につきまとっていたといえる。
そのドラッグの摂取量も常人の域を遥かに超えていて(そもそも常人はドラッグなどやらないだろうが)、かのコートニー・ラブをして「あの量でまだ生きてるのが不思議」とさえ言われたほど。
だからいつ死んでもおかしくなかったといえばそうなのだが、おれの中ではキース・リチャーズ、ショーン・ライダー、ピート・ドハーティと並んで「何だかんだ死なずに生き延びるアーティスト」として今後も何とかやってくれるものと願っていたのだが。
 
おれがエイミーのことを初めて知ったのは2004年1月のことだった。
東京出張の際に空き時間を利用して渋谷のレコード屋に入った時に試聴機に入っていた彼女の1stアルバム『Frank』を見つけた。
「これ全英チャートの30位くらいに入ってたな」と思い聴いてみたら、思いのほか古風な、40~50年代風のジャズボーカルみたいで驚いたことを今でもよく覚えている。
当時からあの鼻にかかった低い独特な声は耳に残ったが、いかんせん古風すぎてすぐには馴染めなかった。
これはまあジョス・ストーンやジェイミー・カラムみたいなイギリスの新しいアダルトミュージックなのだろう、そういう印象のままだった。
 
それから3年近くが経った2006年の年末、おれは彼女の名前を久々に耳にする。
しかしその時は2004年のそれとは明らかに状況が違った。
1stの時に全く注目していなかったNMEを始めとしたインディー寄りのメディアが、こぞって彼女について騒ぎ始めたのだ。
あの音楽性で、一体なぜ?
そう思って"Rehab"を聴いてみると、それはもう驚いた。
 
They're trying to make me go to rehab, but I say no, no, no!
 
えっ、なんだこの歌詞!?
とにかくびっくりした。
自分のドラッグ癖をこんな風に開けっぴろげに、しかも女性シンガーが告白する歌なんてこれまで聴いたことがなかったから。
音楽的にも前作で感じた古臭さはなく、50年代までのジャズボーカルや60年代のガールズグループやソウルのエッセンスを持ちながらも現代的にエッジを立てて作られている。
しかも今まで注視しなかったルックスは、60sガールズグループに顕著だったビーハイブヘアを『フランケンシュタインの花嫁』のようにアレンジし、さらに両腕はタトゥーに覆われている。
何なんだ、この温故知新の奇妙な表現は。
 
おれは早速アルバム『Back To Black』を買い、2007年の前半はとにかく聴きまくった。
もうその頃には欧米のメディアは「日刊エイミー・ワインハウス」状態で、毎日のように彼女の一挙手一投足の情報が伝えられ、ドラッグのこと、恋人のこと、父親のこと、ライブのドタキャンのこと、ドラッグ問題ためにアメリカに入国できないことなどが速報で伝えられていたものだ。
そういうこともあって、2008年のグラミー賞は彼女が完全制覇していたにも関わらず、入国拒否のため中継でのグラミー参加という異例の事態まで起こしてしまった。
 
破天荒な性格、破天荒な生き様。
ドラッグ、アルコール、それに男。
滅茶苦茶な人生を一気に駆け抜けて、最後はあっさり死んでしまった。
その歌声とカリスマ性から「現代のジャニス・ジョップリン」と評されることもあった彼女だったが、皮肉にもジャニスと同じ27歳という若さだった。
今でもエイミーの歌声を聴く度に、もったいないなあと思う。
今年で5周忌。
エイミー、安らかに。
 


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